万物流転
―愛なかりせば堕ちたる者―
―愛なかりせば堕ちたる者―
日本帝国の教会周辺に出没する妙齢の怪僧。本名、まなみ(愛美)。霊名アガタ(アガサ)は、3世紀頃に殉教したシチリア島の聖女に由来する。
中浦家
幕末・維新期の中浦りく(長谷部りく)を祖とする。キリシタン化した中浦家は、共産主義・唯物論思想を「国教」に掲げる日本人民共和国とは当然ながら激しく敵対し、列島各地で白色テロを起こし、招き入れた異端狩り部隊や反共地下組織を用いて紅衛兵を殺して来た。まなみもこうした中浦家の生き方に従う事になった。
救世旅団
表面的には正統教会の修道女(シスター)、あるいは単なる一般市民として登場するが、その正体は武装修道会「救世旅団」真の主人「マスター」であり、必要とあらば殺生も辞さない。日共崩壊後も赤狩りを繰り返し、日共に未だ忠誠を誓う偽装転向者を「戻り異端」と同じ扱いで粛清している。
瀬戸内海
光復21年、屋代島(周防大島)争奪戦を契機に西日本が戦闘状態に陥ると、十三宮聖から救世旅団に護衛要請があり、家所花蓮を須崎優和のもとに派遣したが、中浦自身はマスメディアに潜入するなど独自に行動し、代理の指導者「マザー」に旅団を任せていた。しかし、自分の意図から外れたマザーの指揮に苛立ちを募らせ、家所が死亡すると自らの護衛を十三宮家に寄越しつつ、マザーの野心により乗っ取られつつあった旅団支部を単独で壊滅させ、最終的には逃走を図ったマザーを城井宗房に始末させて旅団の実権を奪還した。
虚無への道
救世旅団という大きな闇を残しながらも、聖徳元年(光復23年)の大乱を経て、世は平静な時代に移り変ろうとしていた。先祖代々の因縁である八洲家の跳梁跋扈も、銚子決戦を機に収束へと向かいつつある。日本国家の将来は安泰であろう。しかし、本当にこれで良かったのか? 日共時代のキリシタン迫害に加担した星川家は、帝国政府との「和平統一」を装って実を得ようと目論んでいる。また、数多の同胞を虐殺した日共の軍人・官僚・元紅衛兵テロリスト達は、処世術や司法取引を駆使してのうのうと生き延びている。一方で、「神社右翼」の西宮堯彦皇帝は教会を蔑ろにし、他方でポピュリストの悪名高き吉野菫首相は、日本を政教分離の世俗的共和国に改造せんとしているらしい。この国が背負った大罪を贖うためには、あるいは「日本」そのものを廃墟から建て直すしかないのかも知れない…折しも先祖ゆかりの地である蝦夷島(北海道)では、人類の原罪に絶望した革新将校らによって、「浄化」のための計画が進められていた。己が信じた未来、真に慈しむべき世界を見定めるため、中浦アガタは救世旅団を率いて最後の戦いに臨んだ…。
性格
- 医学に詳しい。技術は体の病を治し、宗教は心の病を癒す、はずなのだが…。
- 社会に蔓延る罪悪を根絶しようと、純粋な動機で行動してはいるが、建設的な解決策のない泥沼思考にハマり、時に破滅的な結末を招くという
(迷惑極まりない)傾向がある。 - その割に私生活は常識的だが、大雑把な性格で部屋が片付かないらしい。覗いたら生きては帰れないだろうが((((;゚Д゚))))
ステータス
小太刀や鎖鎌などを巧みに操る武芸者であり、山を下りて人を襲う熊を素手で仕留め信徒を救うなど剛腕を持った人物である。なお中浦家伝来の宝刀として、彦根藩士の朱鑓が伝わる。
- 弟妹がおり、まなみは長女。
- 八洲家:古くからの仲だが、当代は距離を置いている。
- 長谷部家:血統の近い親戚であり、関係良好。
- 城井宇都宮氏:「四方之魔」と呼ばれる八洲重臣だが、中浦と取引して行動する事もある。
- 史料焼失のため、子孫の追跡・特定は困難。
0 件のコメント:
コメントを投稿